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【オ・ワーリ/オウ・ルミル中立宙域】
お・わーり/おう・るみるちゅうりつちゅういき:星大名のウォーダ家とロッガ家の間で取り決められた、不可侵条約に基づき設定された最大長約2000光年、最大幅約500光年、高さは無限の中立宙域。両端はイーセ宙域とミノネリラ宙域に接しているが、これらの宙域とは中立性を持たない。
周囲に敵対国家が多いロッガ家と、常にサイドゥ家にイマーガラ家という二大勢力の脅威に晒されているウォーダ家が、安全な領域面の確保という共通の戦略的思惑で締結した、不可侵条約の産物であり、その条約締結は皇国歴1532年に遡る。
不可侵条約においては、交易目的の宇宙船以外の軍用船の中立宙域への進入を、原則として禁止しており、敵性第三国の艦艇が、明らかな侵攻の意図を持って中立宙域を航行する場合のみ、両家の合意のもと、軍用船の侵入が許される事になっている。
またここでいう両家について、ウォーダ家側は二つの宗家であるイル・ワークラン=ウォーダ家とキオ・スー=ウォーダ家の、双方の同意が必要となる。
中立宙域内は、不干渉対象の惑星文明を有する恒星系が幾つかあるが、他に植民が可能な恒星系はないとされている。
ただし、銀河皇国中央寄りの位置に、銀河皇国直轄星系であるベシルス星系があり、その第六惑星『サフロー』は、特殊な大気がもたらす美しい『虹色流星雨』を観光資源としたドーム都市『ザナドア』が建設されている。
このベシルス星系が銀河皇国直轄地である事が、ある意味、敵性第三国に対する中立宙域の、安全保障の担保となっているのも事実で、またその一方、中立宙域の存在が、ベシルス星系の観光都市『ザナドア』の安全保障にも繋がり、銀河皇国の重要な収入源を維持していると言える。
このような中立宙域は銀河皇国において、他にも幾つか設置されてはいるが、いずれもこれほどの規模のものではない。
【この項おわり】
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