■イェルサス=トクルガル

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■イェルサス=トクルガル

   【モデル:徳川家康】皇国歴1540年1月31日生まれ。ミ・ガーワ宙域国星大名、ヘルダータ=トクルガルの嫡男。ややふくよかな体形で金髪碧眼。星大名の嫡子として、武術の心得は高いものがあるが、普段は穏やかでおっとりとしており、気弱ですらある。  皇国歴1555年8月現在、イェルサスはオ・ワーリ宙域国星大名ウォーダ家の一族である、ナグヤ=ウォーダ家で人質にされている。  これは1553年、ナグヤ=ウォーダ家の当主、ヒディラス・ダン=ウォーダがミ・ガーワ宙域に侵攻した際、たまたま地方巡察に出掛けていたイェルサスは、その攻防戦に巻き込まれる恐れが出てきたため、父のいる本拠地のオルガザルキ城へ退避しようとして、最寄りの独立管領トゥーダー家に護衛を求めたところ裏切りにあい、ウォーダ側に売り渡された事によるものであった。  ただしこの時すでにイェルサスは、その頃ミ・ガーワを属国化しつつあったイマーガラ家へ、トクルガル家が従属する証として、留学という形でイマーガラ家の首都星系スルガルムに送られる事が決まっており、トゥーダー家の行動は金銭目的だけでなく、イマーガラ家のミ・ガーワ支配を嫌ったものという話もある (その後、トゥーダー家はイマーガラ家に滅ぼされているため、実情は不明)。  イェルサスを手に入れたヒディラスは、ミ・ガーワ宙域への侵攻が一定の成果を収めると、ヘルダータ=トクルガルへ、嫡子イェルサスの命と引き換えにオ・ワーリへの服属を要求したが、ヘルダータは即座にこれを拒否。体面を失ったヒディラスは激怒しイェルサスの処刑を命じる。  するとその処刑宣告を聞いた途端、イェルサスはそれまでの怯えきっていた態度を一変させ、大人の武人に劣らぬほどの覚悟を示す表情となる。  それが同席していたヒディラスの嫡男、ノヴァルナ・ダン=ウォーダの興味を引き、ノヴァルナの強硬な助命嘆願によって死を免れたのだった。  それ以来イェルサスはノヴァルナの保護下に置かれ、人質というよりノヴァルナの友人または弟分として、手厚く遇されている。 【この項おわり】  
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