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「どうやらそうらしいです」
ジェイムスはもう一度ミネルヴァが示したエリアを見つめた。ノエルはそれに気付くとエリアを拡大して映し出す。
旧都市E地区。ここは昔、高層ビルも立ち並ぶオフィス街だった。人々は市街地にある住宅街から仕事をする為にこの場所に向かい、仕事が終わればこの場所から住宅街へと帰っていく。
そのオフィス街で働く人々の購買欲を期待して作られた店舗にビジネスホテルもひしめき合い、当時はとても賑やかな地区だったのだろうとノエルは思った。
今では高層ビルも店舗も建物という建物の硝子は所々が砕け、木や蔦が全てを呑み込むように覆い尽くそうとしている。時々ビルが崩れては埃が舞い出入りするのは解体や清掃マシーンぐらいだ。
そんな場所で今までマシーンにも発見されず、何百年もどうやって生きていたのかと不思議に思う。
「まさかこんな場所で生きていようとは……」
ジャックのフォログラムが現れ呆れたように言った。
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