価値観の誕生

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 俺の一度目の人生の分岐点。  中学一年生になった頃、俺と有紗はそれぞれ別の同級生にいじめられていた。  俺は男子に、有紗は女子に。  俺の場合、理由は価値観の違いからだろう。  周りに順応できない変に高いプライドと、自分をただただ正当化しようとする言動。  それが周りの男子にとっては気に食わなかったのだろう、数ヶ月間いじめを受け続けた。  しかし、俺のいじめはある時に終わった。  俺のクラスには有紗並みに見た目のいい女子生徒がいた。  そいつが俺のことを好きになったらしい。  俺はその時気づいた。  周りの男子よりも俺の見た目は良いということに。  その女子生徒に告白された俺は、その子の言葉が信じられなかった。  かっこいいと思っていた。  好きになった。  付き合ってほしい。  あの頃の俺は、付き合うということがどういうことかも分からなかったし、別に彼女が欲しいとも思っていなかった。
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