価値観の誕生

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 口で言えばいいのか。  言わせればいいのか。  全校生徒に分かるように表現すればいいのか。  その答えが出る前に、彼女が有紗をいじめている集団の主犯であることを知った。  俺はなんとも思っていなかった彼女に失望した。  考えるのもバカらしくなった。  彼女と付き合ったことで俺へのいじめは知らない間に終わっていた。  女子の注目が俺に向けられていたからだと後になって気づいた。  それについては感謝した。  でも、有紗のことは別だった。  俺はいじめをやめるように彼女に言った。  俺にはいじめを止めるだけの力がある。  そんな気がしていた。  俺の言葉で彼女はいじめをやめた。  少しして俺は彼女と別れた。  それと同時に、また有紗へのいじめが再開された。  俺は別の女子生徒にやめるように言った。  するとその子はいじめをやめた。  しかし、その子以外の女子生徒は更に有紗をいじめた。
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