価値観の誕生

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 こいつらはバカなのか。  何がしたいのかが分からない。  俺もいじめられていた身だ。  有紗の痛みはよくわかる。  とにかく早く助けてやりたい。  そう思い続けた数ヶ月間だった。  しかし、俺の努力はなんの成果もあげることが無く、有紗は一人で立てなくなった。  女子という生き物への想像もつかない恐怖に、有紗は負けてしまった。  言葉ではダメだ。  それでも、俺という存在の盾なら有紗を守れる。  俺は有紗の手を引くことを決めた。  まだ、辛うじて存在する男子への信頼。  そして同じ境遇を味わった俺だからこそ、有紗は俺の手を握ってくれたんだと思う。  俺は誓った。  必ず有紗を守り抜くと。  有紗を守る。  それだけを考え続けた中学生活を経て俺の価値観は歪み、高校三年の夏まで俺は心を閉ざしていた。  ブルーウィーク。  俺の二度目の人生の分岐点。  有紗への想いを自覚した俺は、有紗の足を治す。  それだけを考え、俺の高校生活は幕を降ろすのだ。  俺はそう思っていた。  ブルーウィークの悪魔が現れるまでは。
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