2人が本棚に入れています
本棚に追加
こいつらはバカなのか。
何がしたいのかが分からない。
俺もいじめられていた身だ。
有紗の痛みはよくわかる。
とにかく早く助けてやりたい。
そう思い続けた数ヶ月間だった。
しかし、俺の努力はなんの成果もあげることが無く、有紗は一人で立てなくなった。
女子という生き物への想像もつかない恐怖に、有紗は負けてしまった。
言葉ではダメだ。
それでも、俺という存在の盾なら有紗を守れる。
俺は有紗の手を引くことを決めた。
まだ、辛うじて存在する男子への信頼。
そして同じ境遇を味わった俺だからこそ、有紗は俺の手を握ってくれたんだと思う。
俺は誓った。
必ず有紗を守り抜くと。
有紗を守る。
それだけを考え続けた中学生活を経て俺の価値観は歪み、高校三年の夏まで俺は心を閉ざしていた。
ブルーウィーク。
俺の二度目の人生の分岐点。
有紗への想いを自覚した俺は、有紗の足を治す。
それだけを考え、俺の高校生活は幕を降ろすのだ。
俺はそう思っていた。
ブルーウィークの悪魔が現れるまでは。
最初のコメントを投稿しよう!