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それ以来彼女とは、
つかず離れずの関係が続いている。
だが、あれ以上に怖いことは、もうなかった。
彼女はやはり、不意に現れて、
また不意に去っていった。
これで話はお終い。
どうだろう、
ちょっと変な話だったけど。
似たような経験をしたり、
彼女に心当たりがあったりしたら、幸いだ。
でもなんで、こんな話をしたのだろう。
話をして、少しわかったんだ。
僕はきっと、彼女と和解したかったんだ。
別に、彼女は気にしていないのだろう。
僕が彼女を好きになる前から、
彼女はずっと僕の近くにいたし、
僕が彼女をあまり好きじゃなくなっても、
彼女はずっと僕のそばにいるから。
だから、和解っていうのは、
彼女にとってはどうでもいいことなのだろうけど。
僕にとっては、とっても大切なことだ。
僕はもう、
昔ほど彼女を好きではないけれども、
僕は彼女を嫌いになった訳ではないことを、
伝えておきたかった。
だから、こうして、話した。
話す事で、この霞が、
すこしでも形になるように。
誰かに聞いてもらうことで、
この霞が、少しでも晴れていくように。
僕は、あなたの事は知らないけれど。
それでも、こうして、ここまで付き合ってくれて、
ありがとう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
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