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澤井の電話の後、松本にかけたが電話中らしい。
『どうしたの?謝らなくても良いわ、ネームもオッケー出たから余裕なのよ』
『ん…あの、担当の澤井さんが私の特集を組みたいって…私どうしたら良いか…』
『撮影?松本さんは何て?』
『電話中でした』
『サイン会で野次をとばされ泣きそうな美和ちゃんを見たから、長谷川編集長が気にしていたのよ。
吉井美和を知ってもらう為にね』
『私雑誌には…』
『ひとりが嫌ならあたしも参加しようか?…っていうより松本さんさえいたら良いんじゃない?
編集長や澤井に言ってみても良いわよ』
電話を終えるとメールが入っている事に気づいた。
『隆司と話してた、電話してくれたのよね。
話し中だったからメールにしたわ、どうしたの?』
美和は澤井・藤永の電話の内容をメールにし送信すると、すぐに着信がきた。
『藤永さんが(笑)、長谷川編集長が美和のスタイリスト頼みたいって電話きたけど。
スケジュール調整して美和の為なら頑張るしかないわね』
『松本さん私…雑誌には…』
学校中でサイン会の事でコソコソと言われてるくらいだから、雑誌なんてみんなからなんて言われるか…。
美和はそう思うばかりだ。
『………』
『また何か言われたの?嫌なら撮影はやらない方向で話をしても良いわよ』
『学校中でサイン会に参加してたの?って…1年から3年までコソコソと話してて』
『きつい?』
『ん…』
『守ろうにも学校には付いていけないものね…
良いわ、なかった事にあたしが話をしてあげる』
『ありがとう、松本さん…私ホッとする…』
『客観的に考えれば一般の読者がそうそう雑誌にカラーで載る事ってないから、チャンスといえばチャンスなのよ。
けど、今の美和からだと…欲がないっていうか。
美和らしいっていうのか』クスッと笑う松本の声は仕方ないわね、とでも言うかのように美和を安心させた。
『そうそう、隆司がゲームソフトのお礼が言いたいからメアド教えてって。
あたしが責任もって伝えるから大丈夫って言っておいたわ、自分の身内に嫉妬かしら(笑)』
照れたような楽しそうな笑いが耳元に優しく美和は目を閉じて聞いていた。
【松本さんさえいたら良いのよね】
雑誌掲載関係なく松本さんと撮影されるならどんなにか夢見心地なのかな…?
きっとキュンッキュンッする…
きっと…間違いなく…
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