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風が、吹いてくる。
それが頬を撫で、鼻に空気を送り込んでくる。
季節の香りがした。
花々の、瑞々しい香りが。
答えを得て、振り返った。
目の前に、女生徒がいた。
「誰だ?」
「頼みがあるんだけど?」
問いかけに、不躾な要求が返された。
レアな返答、だけど嫌いではない展開。
少し考えようとしたが、女生徒はそのままその頼みとやらを口にしてきた。
一言。
「ボクと、殺し合いしてくんない?」
「いいぞ」
立ち上がり、両の拳をアゴにもってくる。
女生徒は、こちらが笑ってしまいそうになるくらい笑顔だった。
着ている制服は、白いカッターシャツに黒のベスト、スカートで、足元も白のソックスに黒のスリッパだったから、襟元の赤いリボンだけが唯一の可愛らしさといったところだろうか。
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