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その女生徒は、ただ笑っていた。
こちらを見て。
好意的としか、捉えようのない形で。
赤い、瞳で。
「疑問とか、ないの?」
「ない」
軽い調子の質問を一蹴し、オレは右手を伸ばし――伸ばした人差し指と薬指の先端を、女生徒の両眼に、"突き入れた"。
ぐち、という柔らかくしかし奥は結構硬いものを"押し潰す"ような、厭な感触。
女子生徒は悲鳴をすら、あげなかった。
立て続けに両足を凪ぎ払うようなローキックを、叩きこむ。
女生徒は両足を薙ぎ払われて、半回転してから頭からゴン、と物凄い音を立ててアスファルトの上に衝突していた。
そこに上からカカトを、喉に、突き刺す。
肉が肉を、押し潰すような感覚。
しかも女性特有の、柔らかく、滑らかな肌の。
それを自分の武骨な踵が、押し、潰した。
その事実は、胃袋をひっくり返ったような不気味な感覚を引き起こした。
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