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空気は、冷たかった。
こんな感覚は過去、味わったことがない。
殺気や怒気とも、また違う。
異様という感じが、一番近い。
「――――」
足をどけ、一歩離れる。
軽く腰を落とし、半身を切り、両手は拳を作る。
「へぇ、カラテカ?」
すく、と女生徒は立ち上がる。
何事もなかったかのように、普通に、平然に、当たり前に。
その両目が"あった"場所から、血の涙を垂らしながら。
「カラテカってあんま知らないけど、なんかすごいんだね。いきなり目突くし、女の子を蹴っ飛ばすし。ようしゃなーい」
キャッキャ笑っている。
その挙動に不審さはあれ、不都合さは見つけられなかった。
両足と頭部のダメージは、判断できない。
「そうか?」
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