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「お前も、あれか? 漫画とか映画で見るような、人間を虫けらとでも思ってる口か? あ? 答えろよオラ? いったいこれまでに、何人手にかけてきたんだよ!?」
蹲る吸血鬼の顔を、蹴りつける。
サッカーボールみたいに派手に、吹っ飛ぶ。
そして制服のスカートがめくれ、下着が見える。やや罪悪感が頭をもたげるが、関係ない。
どうせすぐに再生するし、だいたいこいつは既に何人もの人間の命を弄んでいる。
許されることじゃない。
許さん。
「おい、答えろよ吸血鬼。何人殺した? その剣みたいに鋭い爪で、いったい何人無残に串刺しに――」
「――ってない」
髪を掴んで顔を上げさせると、ぼそりとなにか呟いた。
それに俺は眉をひそめ、
「あ? なんだって? よく聞こえねぇよ、いまなんて――」
「ひとり、も……やってなんかない。ひとを殺してなんて、ボク……ない」
「――――」
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