歪な邂逅 その2

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 沈黙が訪れる。  それは当然だった。  いまこの場には俺と、この吸血鬼しかいない。  吸血鬼が喋らなければ、俺が黙ることで沈黙の完成だ。  それはいい。 「……どゆこと?」 「てゆー、か……むしろボクが、どーゆーこと?」  再び沈黙。  とりあえず掴んでいる髪は離しておくことにした。  気分、なんか悪いし。  ていうかキャラ的に、こういういことするタイプでもないし。  というかしたくないし。  髪を離すと、女は再び腹を押さえた。  痛みに堪えるように、冷や汗が頬を伝う。  これもまたおかしい。  昼間と全然違うじゃないか。  気持ちが、ぐらぐら揺れる。  平常心を保てない。  修行が足りないことを実感する。  それがまさか精神にも及ぶだらんて。  いかん、心中の呂律すら怪しくなってきた。  とりあえず、色々と確認しておく。
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