影法師

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「でもどうなってるのかしら」ドアを開いて中の様子を伺うみゆきの後ろで遥が立ち止まる 「何が?」振り向くみゆき、舞もうんうんとうなずいている 「最初は部屋の中にいて窓の外の景色も何も見えなくて玄関の外だって真っ暗で急に月が現れたり星が見えたりこのドアだってさっきは無かった気がするのよね、なにこれ?手品?」 遥の言葉にみゆきも考え込む 「うん最初はあたし一人で何もない部屋だったのにちょっと寝たら暖炉や料理目の前にあって、、それからあなたもね」遥の方を見て言うみゆき 「薬で眠らせておいてその間にとか?」舞がみゆきに言う 「いやそんな感じじゃなかった、ちょっとうたた寝したくらいで深く寝たとかいう感じはしなかったよ そんな強い薬とかなら起きた時に変に頭がボ―っとするとか体が重いとか頭痛が残るとか何かしらあるものよ」 「へーそうなんだよく知ってるわねー」舞が笑いながら意味ありげに言う 「言っとくけど睡眠薬レイプとか経験とかないからね」 舞の笑みに少しにらんで答えるみゆき 「それにあの赤く光る眼ってなに?動物?熊とか大きい動物か怪獣とか?」 遥が慌てて二人の会話に割って入った 「暗くて姿はよく見えなくてうなり声と光る眼しか見てないから何かわからないけど熊の眼って光るの?」みゆきが聞く 「さぁ、、熊なんて動物園でしか見たことないよ」 「あーでも猫の眼とか光るよね」舞が遥に問いかけるように言う 「夜行性の動物の眼は光るんじゃなくて光を反射してそう見えるだけで眼が発光してるわけじゃないわよ」 「でもあれは眼が光ってたわ、動物じゃないわね」考え込む遥 「じゃあ怪物?」みゆきがガオーと両手の爪先を遥に向けた 「まさかね」同じしぐさをみゆきに向ける遥 「遥ちゃん物知りねー、頭よさそう」感心する舞 「みゆきちゃんも物知りよねー 遥ちゃんとはまたジャンルが違うけど」 「あんたの言葉さぁなんかいちいち引っかかるんだよね、あたしに喧嘩売ってるの?」腕組をして舞を睨んで言う 「売ってない、売ってない!」手と首をぶんぶんと振りながら後ずさる舞 「ちょっとやめなよ二人とも、今はそんな場合じゃないでしょ」 やれやれといった感じであきれて言う遥 「よく言われるんだよねー、あんたは一言多いとか皮肉が多いから口を直した方がいいとかさ」 「悪気はないのよ、軽いジョークのつもりなんだけど、、」 「ごめんね」 上目遣いにみゆきを見る 「まーいいけどねあたしも口は悪いし」 「ハイ!仲直り仲直り!」 「さぁ急いで調べよ!」二人の肩をポンと叩いてドアの方へ目配せをした 頷くみゆきと舞 ドアの向こうは薄暗くまっすぐ伸びる廊下だった、奥は暗くて見えない 「ね?おかしいでしょ、建物の中一度調べた時にこんな長い廊下無かったしそんな大きなお屋敷じゃなかった気がする」 「うん、確かに」廊下を進むかどうか迷ってるのか立ち止まるみゆき 「ゲームみたいね、クリアしてMAP広がるわ敵キャラや怪物は出てくるわ謎が多いわ」舞の冗談に遥が答える 「3人の美少女が魔法使いにさらわれて閉じ込められた魔法使いのお城で謎を解きながらアイテムを集めて脱出するって設定か、、」 「じゃあこの先へ進むと手助けしてくれる小人とか出てくるかもよ」舞が笑う 「最後はかっこいい王子様が助けに来てくれる!」 「いや、罠だらけの仕掛け廊下で引っかかってゲームオーバーかもよ」 首を斬るジェスチャーをするみゆき 「やーねー、怖いこと言わないでよ」 「でも本当に仕掛けとか怪物とかありそうよね」 「今までのはあたしたちがそう思ってうかつに動かないようにするための伏線だったのかもね 本当に元マジシャンとか舞台役者の誘拐犯」 「あたしたちが女子高生だからって舐めて手品や怖がらせる仕掛けとか使って大人しくさせようって魂胆か?あの光る眼の怪物も作り物かもね」 「だとしたら舐められたもんね」舞が怒った顔で言う 「頭が悪いやつが多いと思ってるかもよ」 「むかつくー」 「大半の女子高生は遊んでばかりで勉強なんてせずにオシャレや男にしか興味がなくて小遣いなくなりゃ体やパンツ売ってるんだろうなんて思ってやがるのかもよ」 「そ、そ、そうね、、腹が立っちゃうわね、、」 みゆきの言葉にぎくりとする遥 「えー!パンツなんて売れるの?いくらで売れるの?どこで売るの?」 興味津々といった舞を笑うみゆき 「暗くなってから町を一人で歩いてるスケベそうな親父を路地裏に呼んで履いてるやつを目の前で脱いで売るんだよ」 「そうか、、誰のパンツかっていう品質保証と脱ぎたてという産直てわけね」 「野菜かよ」笑うみゆき 「で、いくらなの?1枚いくらで売れるの?」 立て続けに聞いてくる舞をニヤリと横目で見るみゆき 「お前、、売るつもりだな」 「売らないわよ!聞いただけよ!」 「ほんとかよ」 「売るわけないでしょ!」 「もう!パンツの話ししてる時じゃないってば!」 (その話題はやめて!)と心の中で言いながら二人の会話をやめさせる遥 「そうだった急がなきゃな、、よし、行こう」深呼吸して廊下に足を踏み出すみゆき
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