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着信を告げるバイブレーションがポーチの中で振動した
スマホを取り出し耳に当てる
(私だ、今向かっている!何があった!)
「やっと掛けてきたか」
部下に目配せしその場を離れて待機中のワンボックスのスライドドアをくぐる
「屋上でカラスの大群見たよな、そいつらが繁華街の一つのビルの真上で円を描き出した、そこに何があるのかわからんが鴉の異常な行動に何かあるんじゃないかと思ってな そのビルを包囲して偵察を送って報告待ちの状態だ」
「俺には何が起きてるのか皆目見当がつかないがあんたわかるか?」
(確かに鴉が異常な行動をしているのは気づいてたが、、、円を描いてか、、、)
(鴉の生態には詳しくはないが何かおかしいな、、とにかくそちらに向う!すぐに着く)
「携帯じゃ不便だ無線機を使え!周波数はβでいい!」
(了解した!以降は無線を使う!)
通話を切れた携帯電話をポーチに乱暴に押し込み隣でヘッドセットを付けた部下に顔を向ける
「報告はまだか?少し遅いんじゃないか?呼んでみろ」
部下は頷づきレシーバーを手に取った
「こちら司令車、偵察状況を報告せよ」
レシーバーを持つ反対の手でパネルに付いたトグルスイッチをパチンと倒した
「スピーカーに切り替えました」 うなずく結城
スピーカーから音声が聞こえた
(こちら2班、現在2,3階間階段踊り場にて待機中、1班が3階へ到着し壁、ドアにセンサーを取り付けているところです、ドップラー波とコンクリマイクで内部に動きが無いか確認します、建物内は静まり返っております)
マイクに向かう結城
「了解した、各階の確認ごとに報告を入れろ、以上」
(ラジャ)潜めた声で言ったあと無線が切れた
しばらく待つと無線が入った
(3階異常なし、1フロア内に3つの店舗があるようですが冷蔵庫らしい動作音以外無し、ドップラー波にも反応なし、2階へ進みます)
少しして2階も異常なしと報告が入った
「あと1階の1フロアか」
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