影法師

184/204
前へ
/204ページ
次へ
いくつもの破壊音とともに壁が崩れていく、舞い上がる埃で視界が妨げられる 崩れ落ちた壁の向こうに大きな影、大きな2つの影は崩れた壁をくぐるようにしてのそりと入ってきた 差し込む明かりを背にしてるうえに埃に遮られてシルエットしか見えないがその体は 通常の人間の倍以上の大きさだった 「構えろ!」結城の怒鳴り声に一斉に銃口が大きな影に向く、同時に銃口の下に取り付けられたライトがその影を照らした、目を見開く結城 体中ゴツゴツと隆起した筋肉質の体、丸太のように太い腕、大きな掌に鋭い爪のついた三本指、頭から湾曲して突き出た角 「お、鬼か?、、」   恐ろしげなその姿に一瞬隊員たちが後退る 「撃てぇ!!」叫ぶ結城、小銃の一斉射撃がその影に向かって放たれた
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!

206人が本棚に入れています
本棚に追加