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神山が向きを変えて走りだす、足を止めると振り向いて大きく息を吸うと覚悟を決めた、
そして走り出した
闇は先程よりも大きくなっている距離にして6か7メートル近いだろう
「だめ!だめ!!ストップ!!ストーップ!!」大声で圭が叫んだ
驚いて足を止めるが勢いがついていて急に止まれずに前につんのめりそうになった
足先には黒い闇、慌てて後ろに飛び退く神山
「馬鹿野郎!急に大声出すな!危ないじゃないか!!」怒鳴る神山
「あんた自分の歳考えなさいよ!!飛び越せるわけ無いでしょ!!ややこしいことしないで!!」
「ぐ、、」言い返せない神山、足元に広がる闇の向こう端をみて唸る
(くそ、いけそうな気はするんだが、、、)
「裏通りに出て回り込んできて!こっちで安全なところを探すから!」
「わかった!!路地から急いで出るんだ!ここじゃ逃げ場がない!」
みちると愛美の背を叩き走り出そうとする圭を呼び止める神山
落ちている小銃を掴むと圭の方に投げた
「そいつを持っていけ!」
ニヤリと笑って小銃を拾い上げる圭
「おっけー!」
小銃を片手に掴みみちると愛美みて頷いた後、走り出した
後ろを振り返る、小銃のことなど気づく余裕はなさそうな二人は踏ん張ってストラップを引いているが男はもう首元まで沈み込んでいた
「溝口ぃい!」 沈みゆく男の名前だろう、悲痛な叫びも虚しくその姿は闇の中へと消えていった、そしてすぅっと足元にあった闇は消えた、ストラップは地面に埋まるように地中へと消えていた
「くそっ!!」ナイフを抜くと地面を掘り出した、ちぎれたストラップが出てきただけだった 地面を殴りつける 「クソ!クソ!」何度も地面を殴りつける男の襟首をつかみ引く
「よせ、無駄だ、、」へたり込み声を殺して咽ぶ男の肩を叩くと神山の顔を見て睨む
「お前はなにか知ってるのか?二人はどうなったんだ?死んだのか?」
「すまんが俺にもわからん」声を落として答える神山
「今は問答をしている時間はない、すまんが行かせてもらう」
二人の脇を通り抜けようとした時にへたりこんでいた男が立ち上がり神山の胸ぐらを掴んだ
「貴様ぁ!」襟元を締め付ける男の顎に下から銃を突きつける神山
「離さねぇと撃つぞ、本気だ」 銃を突きつけられても真っ赤な目で神山を睨みつけている
「井上!やめろ!」二人の間に割って入り無理やり引き剥がす
「任務はまだ続行中だ!」
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