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路地を来た方向に走る圭たち3人
表側に出るには先程出てきた裏口を通過しなければならない、自分たちが出てから銃撃が続いていた 今は止んでいるようだが近づくのは危険だ、「ストップ!」足を止める
息を切らせたみちると愛美が圭を見つめる
左の壁を見る圭、そこには隣接する裏側のビルの裏口ドアがある、
壁はモルタル、ドアは薄いスチール製だった
「下がってて」 二人を下がらせると小銃のサイドのレバーを動かして銃口を取っ手の下辺りのスチールの波板の部分に向けてトリガーを引いた
短い連射音、3点バーストだ 薄いスチール部分にこぶし大の穴が空いた
手を突っ込み内側の取っ手に鍵を回す、カチャリと音がしてドアが開いた
「痛っ」穴から手を抜く時に引っ掛けて手を切る
「早く中へ!」ドアを開き二人を中へ入れると中に入り鍵を回す
「行くわよ!」先頭になって進む圭、左手を押さえている右手の指の間から血が滴っているのに気づくみちる
「ちょっと!圭さん!手!血が!」
振り向く圭 「やんなっちゃうわ、ひざすりむくし手切っちゃうしね」笑う
「止血しないと!愛美!何か巻く物探して!」周りを見渡す二人
「大丈夫、後でいいわ 今は安全なところ探すほうが先よ」
「何いってんですか!結構出てますよ!血が!深く切ったんじゃないですか」
腰を下ろし押さえていた手を離した、親指の付け根のあたりを切っているようだった
傷口より血液が流れ出る
「あらら、血管切っちゃったかな 」
「ほら!やっぱり!ああどうしよう、、」
「大丈夫だってば」
圭は上着を脱ぐと中に着ていたシャツの片袖の付け根あたりをつかみ引き裂いた
腕から袖を引き抜き、切った方の手で端を掴むとそのまま手に握るようにして巻きつけた
「これでよし!行くわよ!」立ち上がる
何か言おうとしたみちるに言う
「今は何も考えない!逃げることが最優先!いい?」みちると愛美を交互に見る
「わかりました」頷く二人
「じゃあいくわよ、ついてきて」先に歩き出す
暗くて先が見えない、何気なく目を落とした時に銃口の下にライトが付いているのに気づく 「おっ、ラッキー」スイッチを探して押した 銃を構えてあたりを照らした
物置のような部屋だった、埃を被った備品らしきものが雑多に置かれている
奥にドアが見えた、安っぽい化粧板の木製のドアだった、鍵もないようだ
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