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二階に上がり急いで見渡す、廊下があり左右にスチールのドアがいくつか並んでいた
事務所ばかりの階のようだった
「上に!」 更に階段を駆け上がる
三階も同じようにドアが並んでいたが一番奥のドアはガラスのドアなのが目に入った
「こっち!」 その奥のドアを目指して走る
ドアの前まで来ると後ろを振り返り銃を構えて追ってきていないか確認をした
追ってきてはいない、静まり返った廊下があるだけだった
「離れてて」 二人を少し下がらせると銃床でガラスドアを叩き割った
強化ガラスだった一発目では割れなかった、少し下がり助走をつけながら銃床を叩きつけると砕け散った
フレームに残ったガラス片を銃の先で叩いて落とすとやっと通れそうになった
「中に!」廊下の先に銃を向けて警戒しながら二人を先に中に入れる
そして自分も中にはいった、 見渡す、、また事務所のようだが二部屋分使っているようで広かった
「持ってて!」 みちるに小銃を持たせると壁に並んだキャビネットをドアを塞ぐように倒す、そしていくつか並んだ事務机をドアの方に向けて蹴り倒した
広いワンフロアだが奥に給湯室でもあるのか奥行きはなさそうだがドアのない戸口が見えた
「あそこへ!」その戸口を指差す、みちると愛美は黙って頷くと中へ駆け込んだ
デスクの一つを戸口を塞ぐように置き、デスクを飛び越して自分も中に入る
みちるから銃を受け取り中を確認する、小さなキッチンセットとロッカー
それと折り畳み椅子がいくつか壁に持たれ掛けさせてある、窓はないようだ
「ロッカーを倒してその向こう側にしゃがんでて」
言われたとおり二人でロッカーを倒すと身を隠すようにロッカーの陰に入った
圭は入り口においたデスクに身を隠すようにしながら事務所のドアの方へ向けて銃を構えた
「応援が来るまでここで籠城するから!少しの間我慢してね!」
奥に隠れる二人に向けて言う
みちるが立ち上がり隅に立てかけてあったモップを手に取った
「いい感じ」少し笑って言うと足刀でモップ部分を叩き折った
折れたモップは長い棍棒のようになった、そして流し台の下の小さな扉を開く
「見っけ!」何かを取り出す、小さめの包丁だった
包丁を手に取るとあぐらをかいてしゃがみこみ モップの柄を削りだした
「なにを?、、」 圭が聞いた
「いざという時は私も戦います、棒術も少しは使えますので」
そう答えた声は少し嬉しげだった
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