影法師

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銃口より一瞬早く視線がさきほどの影を追う (いない!?) 体を起こして左右を探す (どこだ!) いきなり目の前が暗くなる 驚いてのけぞる 目前に黒い影が立っている (なに!!) 銃口を正面に向け直そうとすると同時に銃が強い力で引っ張られる 銃を見た、真下から太い腕が銃身を掴んでいる すごい力で銃を引かれた 小銃がもぎ取られるように奪われた (しまった!) 即座に後ろに飛び退きながら拳銃を抜いて片膝立ちで正面に構えた 倒したデスクの向こう側、給湯室の入口の前に立つ影に向けて撃った 弾は影をすり抜けて反対側の壁に穴を穿った 影が笑った気がした 影の横にのそりと何かが立ち上がった 目を見開く圭 「お、鬼?!」 影の横に立ち上がったモノ、人の倍以上ありそうな体躯、ゴツゴツと隆起した筋肉、下顎から突き出した牙、太い三本指には鷲の嘴を思わせる真っ黒で凶悪な爪、、そして天井に届く頭の左右から湾曲した角が生えている 「うそ、、」「マジ?!!」 後ろで愛美とみちるの驚愕した声 三本の指に握られた小銃の銃身がグニャリと曲がった
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