影法師

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影に向けて撃ったが弾がすり抜け 焦る圭 その横に立つ怪物に銃を向けるがその恐ろしい姿に向けて 引き金が引けず後ずさる (どうしたらいい?拳銃で通用するの?) 怪物はこちらを睨んでいるが動かない、黒い影が人の形になっていく 「用があるのはそこのお嬢さんだけだ、大人しくしていれば危害は加えない」 (喋った、、)驚き、銃口を影に向け直す 「さぁ こっちへおいで武井みちるさん、お友達を死なせたくないだろ」 「ふざけるな!渡すわけないだろ!」叫ぶ圭 その言葉を無視してみちるに言葉を向ける影 「君のために二人が目の前でズタズタにされるのは嫌だろう、こっちへ来るんだ」 「圭さん、、」 気づくとみちるが横に立っていた 「駄目!」片手で制止する圭 「二人を死なせるわけにいかない」 圭の手をそっと払い前に進み出るみちる 「賢明だ」影がうそぶく 「だめ!!」後ろからみちるの腰を抱きかかえて止めようとする愛美 みちるの前に背で立ちはだかる圭 「行かせない!」 〈グルルル〉低く唸り身を沈める怪物、今にも飛びかかってきそうだ 「死んじゃうよ君たち」楽しげに言う影 (何してんのよ!!早く来てよぉ!!こんな化け物無理よぉ!!) 神山の到着まで時間稼ぎをしたいがギリギリの状態に心は悲鳴を上げていた 「伏せろ!!」怒鳴り声、その声に振り返る影と怪物 くるりと後ろを向き両手で愛美とみちるを抱かえるように倒れ込む圭 ちらりと見えた神山の姿、小銃を構えている その射線上から外れるように壁際に二人を押し付けて覆いかぶさるように して伏せる 直後激しい銃撃音が鳴り響いた
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