影法師

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モニターに2階フロアを回る警備員の姿が映し出されている 「ん?」 市民課のオフィスの真ん中あたりが少し明るくなった 「パソコンのモニターが付いたぞ・・」 警官がモニターを見つめたまま言う 「ほら!やっぱり!」 「おかしいな、通路などに人の姿は映ってない、遠隔操作かもしれん」 若い警備員、守衛、警官がモニターの中に人の姿がないか 目を凝らして見つめる 「なにか動いてるな・・・」 モニターの光に照らされて人の影がデスクに座っているのが 映しだされていた 「本当だな・・・人がいるようだ」 疑いが晴れたようでホッとする警備員 守衛室から市民課に向かう警備員と、階段の脇で待機しながら 室内を見ている警備員の姿がモニターに映る 「まだ動いてないな・・」 映像内で室内の電気がついた、 防犯カメラは、明るさに応じて通常と、暗視モードが自動で 切り替わるタイプだった 照明が点いた事で暗視モードから、通常モードに切り替わる瞬間 一瞬だけ画像が真っ白になる その0.5秒の間に・・ 「消えた!誰も座ってないぞ!」 3人が目を見開きモニター内を探す 「明かりがついた瞬間に伏せたのか?」 「自分たちもそう思ってデスクの下など見たんです・・」 警備員が言う 映像には警官も到着し、オフィス内を探す姿が映っていた 周辺カメラの映像も人の姿は捉えていない 市民課より外には間違いなく出ていない 「守衛さん 署の人間が来ます この映像消さないように」 「はい、大丈夫です、守衛長しか映像の削除のパスは知りません」 「あんたは一緒に来てくれ、もう一度オフィス内を探すぞ」 若い警備員とともにまた、市民課へと急いで行った 鑑識セットを持った警官も到着して10名ほどで散々探したが 侵入者も侵入の形跡も見つからなかった・・
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