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藤沢を先頭に圭、みちる、愛美、最後尾に神山が後ろを警戒しながら進んだ
非常口のドアの前に着いた藤沢が後ろを振り返り神山を見る
頷く神山に軽く頷き返した後ドアの取っ手を握りゆっくりと回し押し開けようとして施錠されてると気づきドアノブに着いたつまみを90度回した
内部のシリンダーが動きガチャリと開場された音が廊下に響いた
静かにドアを少し押し開いて外の様子を窺う藤沢
少し開いたドアの隙間から踊り場であろう鉄製の床板が見える、このビルの非常階段は建物の外側の壁面に鉄製の階段が設置されているタイプのようだ。
片手でドアノブを持ちもう片方の手で小銃を持ちドアの隙間に銃口を向けた藤沢が圭に目配せをして上を見ろと促す
圭は拳銃を両手で握りしめて構えてうなずく
ドアを開くと同時に圭は上の階へと伸びる階段に銃口を向けた
藤沢はドアを肩で押し開けながら下へと伸びる階段へ銃口を向ける
圭が周りを警戒しながらドアを足で押さえる
「大丈夫そうだ、降りるぞ」
藤沢が廊下に戻り後方に銃口を向けて言う
ドアの前で壁にくっつくようにして手を繋ぎながら立つみちると愛美
二人の前に出て先に出て銃を構えて階段の下の方を覗き込んだ後振り向く
「さぁ行こう」
今度は神山を先頭にして階段を降り始めた
鉄製の階段は折り返すようにらせん状になっていて折り返しの先は見えず
側面は落下防止の柵で囲われてるので身を乗り出して下をのぞき込むこともできなかった
鉄製の階段は足音が響く、足音を立てないようにゆっくりと足を進め慎重に降りる。 二階の踊り場部分に着くと非常口のドアノブに手をかける神山
施錠を確認すると足を止めて全員が踊り場に着くのを待った
最後尾の藤沢が降りてきた
「あと1階で地上だが静かすぎる、何も仕掛けてこないのがかえって不安だ」
「俺が先に階下を確認してくるからここで待機しててくれ」
「わかった」短く答える藤沢
「気を付けて」小さく言う圭
「すぐ戻る」そう返すと神山は静かに階段を降りて行った
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