影法師

6/204
前へ
/204ページ
次へ
本日付けで刑事課に転属してきた神山君だ 「神山です よろしくお願いします 」 課長の奥田に紹介されて 挨拶をする神山 「橋本とコンビを組んでもらうが 橋本は入院中だから  戻るまでは一人で動いてもらうことになる」 「おい 鹿島」 「はい」 「神山くんに 現在の捜査の概要を説明しておいてくれ」 鹿島という年配の刑事がよろしくと言うように神山に手を上げる 「了解しました」 「神山くん とりあえず今日明日は 捜査状況の把握と管轄区域の  地理を頭にいれてくれ 明日にでも担当事件を決めるから  そのあと捜査に加わってもらう」 「了解です」 「以上だ」 刑事課の部屋を出て行く奥田課長を横目で見ながら鹿島が近づいてきた 「よろしく 鹿島です」 「こちらこそよろしくおねがいします」 頭を下げる神山 「さてと、じゃあ説明しますかね・・小会議室行きましょうか  あそこのが静かでいいや」 捜査資料のファイルを幾つか小脇に抱えて神山を促す鹿島の後に ついていく 「なんでここに?飛ばされたとか?」 歩きながら冗談ぽく鹿島が言う 「まぁ・・そんな感じかな」 希望転属だというのは知られていないようなので話しを合わせる神山 「はっはは、こりゃ問題刑事がまた増えたって感じだな課長の  白髪も増えそうだ」 「問題刑事?」 「そのうちわかるよ」 意味ありげに言う鹿島 小会議室に入り、現在捜査中の事件の説明を受ける 「ところで橋本刑事は入院中って 怪我でも?」 「いや違う違う 定期検診で肝臓に疾患が見つかってね  酒の飲み過ぎだよ橋本は」 「酒ね・・・」 笑う神山、当分は一人でやれそうで安心していた 「まぁ、二日間は捜査に加わらなくてもいいみたいだから  適当にやっときなよ、越してきたばかりなんだろ、  引っ越し疲れのお休みだな」 そう言って笑う鹿島、陽気な性格で付き合いやすそう だなと感じた 「ざっとこんな感じだよ 聞きたいことがあったら聞いてくれよ  俺は今から聞き込み行かなきゃいけないから他の部署にでも  あいさつ回りでもしとけばいいさ 交通課の安西と少年課の  小西ってのがべっぴんなんだぜ、見てきな」 一通り説明を終えて、そう言って笑いながら出て行った・・ 「じゃあ あいさつ回りでもしとくかな・・」 立ち上がる神山・・・
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!

206人が本棚に入れています
本棚に追加