殺意

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またフラッシュバックだ… 眠剤飲んでも寝付けない アレからどのぐらい時間が経ったんだろう… カチカチカチカチ… 耳をすませば時計の針が進むのが分かった カチカチカチカチ… 暗闇の中、やけに響き渡る音 私は中々寝付けない事にイライラし気分転換にキッチンに向かった。 グラスに水を注ぎそれを一気に飲み干すと隣の部屋から響き渡るイビキに私は眉を顰めた。 いい加減にして欲しいものだ… この呑気な寝息を聞いて私は夜中だってのに盛大なため息をついた。 この人のおかげで私達は今までどれだけの苦労をさせられたか。 思い返せば思い返すほど腹立たしくなってきた ふと視線の先に見えたのは食器棚。 その食器棚の手前にある引き出しを開け包丁を手にした私は盛大なイビキをかく同居人の寝室の襖を開けた。 だらしなく空いている口からごうごうと寝息をたてでっぷりと太った腹はまるで刺してくれと言わんばかりに肥えている この人を殺したら私はどうなるんだろう その疑問を頭に覚えつつも手は勝手に包丁を握り直した そして刃先を下に向け思いっきり突き刺した ザクっ… そば殻が入った枕には羽毛など飛び散らず刃先の数センチ隣はヨダレを垂らした同居人の間抜けな寝顔だけだ。 まだ寝ている… 呆気にとられる私。 仕方なしに抜いた包丁を見つめもう一度包丁を握り直した。が… この男の為に自分が犯罪者になるのはバカバカしくなった。 ジリリリリリリリリ! 時刻は6時。 けたたましい目覚ましの音に皆が起きてゆく。 先ほどまで自分が殺されるかも知らない男が呑気な声で、自分を殺そうとした人間に声をかけた。 「おはよう。xxx」 私「おはよう。xxx」 こうして私の新しい朝が始まる。
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