第1章

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彼女はスタイル抜群で、ルックスも可愛くて、 カリスマ社長であった。美容パックの会社なのだが、ときどき会社の宣伝目的以外、つまり私用で美容パックをしていた。 それだけなら問題ないのだが、ときどき公私混同で美容パックをしたまま、人通りの多い街中に出掛けていた。 「えっとなんでその美容パックしてるの?」 「これは美容パックの宣伝で…」 「いやここは美容パックのCMする場所ではないわ、はずした方がいいわよ」 「すこしでも会社の利益に貢献したいんです」 「その気持ちは分かるけどここは会社ではないわ」 「どこもセールスチャンスに恵まれているんです」 「今は忘れた方が…」 「忘れるわけにはいきませんこの商売を!」 「…あの、顔の美容パックをはがしてください」 「どうしてはがす必要があるのですか」 「えっと…もういいです」 このままではらちが明かないと判断した街中の人は彼女の美容パックを無理矢理はがすが、指摘した人も含めて文字通り白い目で見るか笑ってしまうかのどちらかしかなかった。
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