第1章

2/31
前へ
/31ページ
次へ
高村くんと週末デートをするようになって二ヶ月が過ぎた。 二学期も終わり冬休みに入るとすぐに、彼は冬休みを利用しての長期撮影に行ってしまった。 冬休みいっぱい撮影で帰ってこれないという。会える日が増えると楽しみにしていたのに、逆に2週間会えない日が続いた。 私はと言えば、いつもと変わらない… いやいつもより寂しい冬休みを送っていた。 去年の冬休みと何ら変わらないけど、彼ができてラブラブなのに会えない日々は寂しくて会いたくて、高村くんを思い出すたび胸がキューンと締め付けられた。 それでも寂しさを紛らすように母の料理を手伝い、いつか高村くんに手料理を作りたいと頑張っていた。 お節料理も教えてもらいながら母と一緒に作った。 「一人で作った方が早く出来るのに…」 なんて言いながらも手伝うことを嫌がらない母。 「こんなこともできないの?」「下手ねえ。」 そう言いながらもしっかり教えてくれる。案外娘に頼られることが嬉しいのかもしれない。 料理以外は部屋でまったりしているか、テレビを見ているかの生活。 出掛けたのは家族で行った初詣で、後はコンビニに欲しいものを買いにいくくらい。 暇すぎて休み中に今流行りのコマーシャルソングを覚えて、つい口に出たりしていた。 時折彼を思い出し寂くて眠れない夜は、考えないように宿題にせいを出した。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加