第1章

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目覚めるとベッドの上で、起き上がろうとすると頭に痛みが走った。 「…うっ」 痛みに声が漏れ、それに気づいた保健室の田村先生がカーテンから覗いた。 「浅井さん大丈夫?」 「動くと頭が…痛くて…」 「過呼吸だったみたいね。」 「息がどんどん苦しくなって…。」 「過呼吸の時はね、紙袋がいいんだけどね、袋を口に当ててその中で呼吸をすると落ち着くわよ。 何があったのかな?」 「私が悪いから…。ズルくて酷い人間なんです。」 「あまり考えすぎないでね。話せば分かって貰える事だってあるんだから…。自分だけで考えてると悪い方に考えちゃうからね。 浅井さん昨日まで休んでたのよね?」 「え、ええ、熱が出て…。」 「測ってみようか?」 直ぐにカーテンの向こうから体温計を持ってきて手渡された。 「ほらやっぱり。八度近くあるわよ。今日はお家に帰りなさい。無理すると長引くわよ。」 「…はい。」
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