第1章

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「ところで、高村くんとあなた付き合ってるの?」 「え?」 「高村くんがここまで連れてきてくれたのよ。この前倒れた時もそうだったわね。」 来てたんだ…。 高村くんがここまで連れてきてくれた… きっとみんなの視線を浴びたはずだ。いろいろ噂されたり、それが世の中に出るかもしれないのに… それだけで胸がきゅーんと締め付けられた。 別れても彼は変わってない。私の事を考えてくれている。 別れたんだからもう知らん顔してくれていいのに… 嬉しいけど、ネットで騒がれてるんだろう彼に、これ以上甘えられない。 「彼とは何でもありません。」 「そうなの?てっきり… 彼、転校するらしいわね。今日は転校手続きの書類を提出しに来たらしいわよ。」 高村くんが転校… 何で? 私と会わないように? 私の事を忘れたいから…? 別れても学校に行けば高村くんに会えると思っていたのに…
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