*2*

5/7
前へ
/22ページ
次へ
「でさ、神谷くんはなんでそんな話し方してるの?」 え? と俺は耳を疑った。でも、そんな俺を気にせず咲原は続けた。 「だってさ、神谷くん本当はそんな人じゃないでしょ?」 どう、あたってる? とでも言いたげな顔で俺を見ている。 「どうしてそう思うの?」 俺は、期待の意味を込めて聞いてみた。 「うぅーん…。何となく?」 ガックリ来た。根拠があって聞いたなら…こいつなら本当の俺を見てくれそうな気がしたのに…。 「って言うのは嘘で、だって神谷くん、無理してるように見えたから…」 だが、咲原の言葉はそれだけでは終わらなかった。 「無理してる? 俺が?」 「うん。表面上は笑顔だけど、心から笑っている笑顔じゃないように見えたの。違ったならごめんね」 ビックリした。こう言ってくれたやつは初めてだった。 さっきも思ったけど、咲原なら言ってもいいかも知れない。 本当の俺を…。 「…秘密にしてくれる?」
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加