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「でさ、神谷くんはなんでそんな話し方してるの?」
え? と俺は耳を疑った。でも、そんな俺を気にせず咲原は続けた。
「だってさ、神谷くん本当はそんな人じゃないでしょ?」
どう、あたってる? とでも言いたげな顔で俺を見ている。
「どうしてそう思うの?」
俺は、期待の意味を込めて聞いてみた。
「うぅーん…。何となく?」
ガックリ来た。根拠があって聞いたなら…こいつなら本当の俺を見てくれそうな気がしたのに…。
「って言うのは嘘で、だって神谷くん、無理してるように見えたから…」
だが、咲原の言葉はそれだけでは終わらなかった。
「無理してる? 俺が?」
「うん。表面上は笑顔だけど、心から笑っている笑顔じゃないように見えたの。違ったならごめんね」
ビックリした。こう言ってくれたやつは初めてだった。
さっきも思ったけど、咲原なら言ってもいいかも知れない。
本当の俺を…。
「…秘密にしてくれる?」
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