1人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
そう言って、ドアを開けた…が。
「あ。今日から、203号室に越してきた安藤です。コレ、つまらないものですがどうぞ。」
「……。」
「あ、こんな格好でごめんなさい。ビックリしますよね?」
私は、冷静に装ったが内心では驚いていた。
何故なら、ドアを開けた瞬間。
馬の被り物を被った男が挨拶してきたからだ。
今まで色んな住人に会っているから、どんなけ変な人でも覚悟はしていたけど…。
何で、馬?
何で、馬なのっ!?
私は、動揺を隠しながらも何かの詰め合わせを貰い。
馬は"失礼します。"と、律儀に挨拶してから隣の部屋へ戻って行った。
「愛莉、誰だったの?」
「…馬。」
「は?」
「馬の被り物を被った男だった…。」
「馬?…あぁ。もしかして、隣に引っ越してきた安藤くんね。」
ケロッと平然としたお母さんは、一度止めた皿洗いを再度洗い始めた。
最初のコメントを投稿しよう!