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と言っても寒い。
腹も減ってきた。
はー……寂しいが重なるわ――。
「――あ、すいません」
大通りの横断歩道を渡ろうとした時、隣の人の肩にぶつかってしまった。
「いえ、こちらこそ――あれ?」
あ。
「――ども。えーと、へース――じゃなくて、三咲花汰の担当の――」
「――はい、楠木です」
そうそう、確か名前はそんなん、と俺は眼鏡を軽く上げる。
「あなたは、えー……確か柳井さん、でしたっけ」
「はい。あの時以来ですね」
そうですね、と楠木さんは苦笑いする。
あの時、とは以前ヘースケが体調管理を怠りまくって倒れた時である。
もうその心配はない、か……多分。
結構やっちゃったからなー……まぁこんくらいはいいよ、な?
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