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広さ50メートルの正方形のグランドの周りに、千人が座れる観客席がある闘技場で、
タケルとショウゴの決闘は始められようとしていた。
「タケル、またオレに戦いを挑むなんて、どうかしてるぜ」
「いつまでも、自分が上だと思うなよ。
今日の戦いはオレが勝つ」
「度胸はいいみたいだが、度胸だけでは勝てないぜ」
「剣の実力も、オレの方が上だ」
小柄なタケルは、まるでドラム缶のような巨体のショウゴをにらみつけ、
決闘用の木刀を構えた。
「それじゃ、オレから行かせてもらうぜ」
巨体のショウゴが、巨体とは思えない俊敏な動きで、タケルに迫った。
ショウゴが上段の構えから放った剣が、タケルの頭上めがけて落ちていく。
タケルはショウゴの剣を頭スレスレのところで受け止め、ショウゴの剣を弾いた。
そして次の瞬間、二人の体が左右に弾けた。
「ちょっとは、腕を上げたな」
ショウゴがそう言って、不敵な笑みを浮かべた。
「いつまでも、モーゼス兵士学校の最強剣士でいられると思うなよ。
今日からオレが、最強剣士だ」
「タケルの腕では、オレには勝てない。
さぁ、来いよ。
実力の違いをわからせてやる!」
タケルはショウゴのその言葉に、剣を下段に構えて、ショウゴに迫った。
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