巨大昆虫と生徒たち

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鬼神のような強さを見せるトウマとミノリとは裏腹に、 モーゼス兵士学校の生徒たちは、次々と巨大昆虫の餌食になっていった。 広い大地は、巨大昆虫の死骸と息絶えたモーゼス兵士学校の生徒たちで埋め尽くされていく。 そしてトウマが最後に巨大カマキリの首をはねて、巨大昆虫の群れを全滅させたとき、 百人ほどいたモーゼス兵士学校の生徒は、三十人ほどしか生きてなかった。 「倒れている生徒たちを早く医務室へ連れて行くんだ!」 トウマの声が、無数の死体が転がる殺伐とした大地に響いた。 「息絶えても、すぐに蘇生の魔法を唱えれば、生き返ることができる。 医務室のリカコ先生ならば、死んだみんなを救える!」 トウマのその声に、生き残った生徒たちは、息絶えた生徒たちを運び始めた。 だがそのとき、一人の生徒が、断末魔の叫び声を上げて、大地にひれ伏した。 生き残っている全員が、何事が起きたかと、その叫び声がした方に目を向けると、 そこには、銀色の鎧に身を包んだ身長2メートルほどの屈強な剣士が立っていた。
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