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激しい戦いが続く中、ミサキはタケルをおぶって歩き、バーネットから離れたところにタケルを下ろした。
「タケルくん、大丈夫?」
ミサキはそう言って、タケルに声をかけたが、タケルは苦しそうにして、返事ができない。
ミサキは慌てて、自分の右手に魔力をためた。
〈 早くタケルくんの傷口を塞がなくちゃ……。
タケルくん、待ってて。
私がタケルくんを回復させるから! 〉
ミサキは青色に染まった右手から魔力を放出した。
「傷よ癒えろ!
回復系魔法、マジカルケア!」
ミサキが魔法を唱えると、タケルの血は止まり、傷口が少しずつ塞がっていった。
〈 早く全回復して! 〉
ミサキは祈るように魔法を唱えた。
〈 あの地底族は、本当に強い……。
私は何だか不吉な予感がするの……。
誰もがあの地底族に勝てない、そんな予感が…… 〉
ミサキの背後で、叫び声が聞こえた。
ミサキがその声に振り返ると、ミサキの背後はもうすでに巨大な炎に包まれていた。
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