巨大昆虫と生徒たち

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「いくらトウマ先生でも、そんなバケモノと一対一で戦うなんて無茶だよ」 ショウゴが声を張り上げてそう言った。 「トウマ先生、私も戦うわ。 トウマ先生だけを危険な目にはあわせられない……」 サヤカはそう言って、トウマを見つめていた。 「トウマ先生、バーネットは今まで私が出会った中で、最強の敵です。 一人で戦うなんて、自殺行為です。 やめて下さい。 私たちも戦います」 ミノリがトウマの無謀な行為を止めさせようと、必死になってそう言ったとき、 トウマは戦士の剣を天高く掲げて、ミノリたちに言った。 「この戦士の剣は、西の国の王様から、オレが優秀な剣士だと認められて、いただいたものだ。 オレはこの戦士の剣を手にしていることを誇りに思う。 オレはモーゼス兵士学校の剣術の師範であるとともに、 西の国の五剣士の一人だ。 たかが地底族一人を斬れないオレではない」 「トウマ先生……」 ショウゴはトウマの強烈なプライドを感じ取り、何も言えずに立ち尽くした。 西の国の五剣士の一人であるトウマは、本当に地底族の剣士を倒せるのか? みんながそのことを まだ信じきれずにいた。
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