巨大昆虫と生徒たち

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「ハッ、ハッ、ハッ。 西の国の五剣士だかなんだか知らないが、この二刀流のバーネットに戦いを挑むなんて、バカなヤツだ。 死んで、あの世で悔いるがいい」 バーネットがそう言って、油断しているその隙に、トウマはまるで、光のような速さで、バーネットに斬りかかった。 〈 は、速い……。 トウマ先生の動きは、これほどまでに速かったのか…… 〉 ショウゴは夢中になって、トウマの戦いを見ていた。 トウマとバーネットの戦いは、ショウゴにとって、常識の枠外の戦いだった。 二人の剣先が、目にも止まらない速さで何度も交差し、それでいて、致命傷を与えるに至らない。 ショウゴは二人の戦いを見ながら、自分の実力の低さを嫌でも思い知らされた。 〈 戦い続ければ、いつかはオレも、トウマ先生みたいになれるだろうか? 〉 ショウゴはトウマの戦う姿に、自分の理想の剣士像を見ていた。 ショウゴはほんの一瞬でも、トウマの戦いを見逃さないように、まばたきもせずに、二人の剣士を見つめていた。
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