西の国に起こる異変

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ブラック兄弟が城壁の前に立つと、マルートはレンズの厚いメガネを取り出した。 「マルート兄さん、そのメガネって、何さ?」 「これか? これは透視メガネさ。 これがあれば城壁の向こう側が覗けるんだ」 「マルート兄さん、オレにもそれを貸してくれよ」 「あとで貸してやる。 今は光の剣を見つけるのが先だ」 マルートは透視メガネをかけたまま、城壁の周りをぐるぐると回り始めた。 「タルート、ここだ。 西の国のお宝がある場所は」 「マルート兄さん、すごいよ。 これでオレたち、大金持ちだね」 「ダメだタルート、余計なものまで盗んだら、ナバール様のお怒りを受ける。 今回の目的は、あくまで光の剣さ」 マルートはそう言って、城壁に近づき、魔法を唱えた。 「通り抜け魔法。 スルー!」 マルートが魔法を唱えると、城壁に半径1メートルの穴が開いて、お城への入口ができた。 「マルート兄さんは、スゲーや」 タルートは無邪気に兄を褒めた。 「行くぞ、タルート。 早く光の剣を奪って、ナバール様に届けるんだ」 マルートとタルートは、城壁に空いた穴を通り抜け、お城の中へ入って行った。
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