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唇が離れると、 少しづつ唇をずらしながら頬から首をなぞるように、 キスが落とされていく。
彼の唇が肩に向かう途中、 吐息と一緒に漏れ出してしまった、あ、と息を飲む自分の声に、この火はもう消し去る事は不可能だと感じた。
その声を聞いた彼から、また私の唇にキスが落とされる。
乱れる息の中、ゆっくりとキスを交わす。
体に力が入らなくなってきて、彼の肩に掴まり 片膝をつく。 彼は私を支えるように、腰をつかみ自分の上に跨らせた。この密着の増した体勢に 私の奥底にしまっていた気持ちが じわりと私を侵食した。
互いの唇で交互に挟み、 お互いを確かめるように体の輪郭を触りあう。
濡れた唇が離れる時の、 チュ、という湿った音を何度か繰り返すと、 彼は私の下唇を軽く舐め、緩んだ口元に、割り入れるように舌を侵入させてきた。
くぐもった声が漏れてしまい、自分の声の恥ずかしさに さらに熱が加速して、あっという間に 本能に火がついてしまった。
彼の首元にすがる私の手、 髪をかき上げ混ぜる彼の指。
だんだん激しくなるキス。 お互いの熱い息を感じ合う。
密着度が高まり、彼の吐息を近くに感じて、ゾクゾクする感覚。
乱れる息に、 もう戻れなくなってしまった自分を、 頭のなかで押しやり夢中になって、 素直な自分に流されて彼を求めた。
ーーすき、すき、好き、溢れ出す気持ち。キスの合間に熱に浮かされて、 狂いそうになる私の、 うわごとのような告白に答えるように、
ーー君から…… キス…… して…… くれるの…… 待ってた……
絞り出された彼の言葉に酔わされて、あぁ、この人にはやっぱり敵わない…!と心のなかで叫びながら、この終わらない猟奇的なキスを享受した。
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