0人が本棚に入れています
本棚に追加
アヴァンギャルドでいこうvol.3をお届けする。
アヴァンギャルドとは元来、フランスの軍隊用語であり、本隊に先駆けて敵と対峙する前衛部隊を意味する言葉であった。転じて、因襲や社会通念を打破し、未知の表現を切り開こうとする芸術的試みのことを指す。
今日、アヴァンギャルドという言葉が想起させるのはどんなイメージだろうか。未来派、ダダ、シュルレアリスム、キュビズム、構成主義……、色々あるだろうが、いずれにしろこれらの芸術的試みは、過去や伝統との断絶、意味や内容からの解放といったニュアンスを含んでいる。それらは少なからずアンチ・ポップ的なモードを漂わせているだろう。
我々の考えるアヴァンギャルドとは、アンチ・ポップのことではない。アウトサイダー・アートでもなければシュルレアリスムでもない。いや、正確に言えば、そうであってもよいし、そうでなくともよい。なぜなら、我々の考えるアヴァンギャルドとは、ジャンルではなく姿勢そのもののことだからだ。既知のもの、良いとされている基準、枠組み、慣習、そのようなものから時には外れることを恐れずに(しかし外れること自体を目的とするのではなく)新たな表現を獲得しようとする姿勢のことだからだ。もちろん我々は、真に新しい表現などほとんど存在しないと知っている。どのような斬新な表現であれ、新しいとされるのはその一瞬、実際にはほとんど存在しない理論上の一瞬であり、それが表現されてしまった瞬間に、すぐさまひとつのジャンルを形成してしまうと知っている。したがって我々は、新しさ自体に最上の価値を見出しているわけではない。
だが、先人が築いた偉大な表現を単になぞるだけの行為に、いったいどれだけの意味があるというのだ?
最初のコメントを投稿しよう!