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「あっ、スミマセン~!ご紹介が遅れました~!わたくし、別マ編集部のリーダーを任されております真矢と申します~!よろしくお願いします~v」
いつもより幾分も高い声で、わずかに頬を赤らめながら、しなを作って話す真矢さん。
その語尾のハートはどこから借りてきたんですか!早く返してきて!
…だ、誰だ。
これはいったい誰なんだ。
これが世に言う"イケメーン効果"か。
ドップラー効果、プラシーボ効果と並ぶとされる世界三大効果の一つ、イケメーン効果。
21世紀の科学を持ってしても解決できない世界の最たる謎、そして解消できない顔面格差問題…それが今まさに俺の目の前で繰り広げられている。
しっかり者のデキる女でも、イケメーン効果の前には屈する他ないというのか…!
「ああ、席も勧めずに私ったらもー!スミマセンね早瀬さん。どーぞどーぞこちらへv」
満面の笑顔が少々、いやかなり…不気味だ。
しなしなと椅子を勧める真矢さんに、編集部一同が(脳筋バカ一名を除いて)顔を引きつらせている。
俺の顔も例外なく引きつり倒していたが、それは他とは少しワケが違う。
青白い顔をした早瀬さんが、唇をわななかせている。
そしてその震える唇を、薄く開けた。
……すごく嫌な予感がいたします。
「………き、」
「はぁい?v」
「きもちわるい…」
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