2.初めてのことはわりとなんだってキツイ

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そんなこんなで、俺、山本さん、そして早瀬さんを交えた打ち合わせが始まることとなった。 予定では、今日を含めて今月中に数回の時間を取って、話し合っていくらしい。 今日は本の顔合わせって程度のようだが…はてさて。 早瀬さんと山本さん。 どう考えても取り合わせがよろしくなくない?正反対の人種じゃない?果たしてまともな話し合いが成立するのか。 そしてその中間に立たされた俺はどうすればいいのか…出でよニュートラルな俺、マージナルマンな俺。 俺の隣には早瀬さん、そして前には山本さん。 小さなテーブルを挟んで目の前に、爽やかな千の風が吹きわたっている。ここに~私は~いません~といわんばかりだ。 俺だっていたくないよ今すぐ千の風になって吹き渡りたいよ。 ちなみに隣の早瀬さんはマジで「ここに私はいません」状態だ。 要するに心ここに在らず、ってことだが…いや、いいんだ、彼はとにかくここに座ってさえいてくれれば。 魂は吹き渡っているかもしれないが、体がここにありゃそれでいい。 というか元から戦力としては数えていない。 むしろ変に口を挟まれるとそれが致命的になりかねない。そのリスクの方が怖い。 はじめは相手の出方を見よう…と脳内で一人作戦会議をしていたら、早々に山本さんが火蓋を切って落とした。
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