2.初めてのことはわりとなんだってキツイ

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「早瀬さんはアメリカに長期滞在の経験があるんですよね」 「な、お、おい…」 「そーなんですか!なるほど!だからか~!」 「その間にフランスにも行ってたことあるんですもんね」 「ええーすっごいなぁ!」 「絵もそちらで勉強されていて。ね、早瀬さん」 「え?…あ、ああ…まぁ…」 「小さい頃から一人で海外に住まれてたんですよ。ね?早瀬さん?」 「すごい…いやぁーもう本当に尊敬しますね~!」 山本さんのキラキラに、言葉通り早瀬さんへの尊敬の意味合いが混じってくる。 それを感じて、俺もなんだか得意になってきた。 なんだこれ、超気分良いんだけど。 すごいでしょ?そう、この人超すごいんだよ。 こんな済ました綺麗な顔で、何事もなかったように座ってってけどさ。本当は凄い人なんだから。 でも、凄いだけじゃないんだ。 「彼ね、ちょっと無愛想な感じでとっつきにくそうなんですけど。シャイなだけで」 「っ、おい…っ」 「面白いとこもある人なんで、これからよろしくお願いしますね」 「あはは。こちらこそよろしくお願いします。色々とご教授頂ければと思います」 俺と山本さんが頭を下げ合う。 一方、話題の中心に据えられた早瀬さんはどうすればいいかわからない様子で、顔をわずかに赤くしながら俺をジトッと睨みつけていた。 照れてる照れてる。 んな顔されても怖かないですよ。
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