第1章

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自分の会社を失った元社長、美香は落ち込んでいた。 町をうろうろしていたところ、きれいな花のある花屋を見かけたので立ち寄っていた。 「いらっしゃいませ。どうぞごゆっくり」 「店でおすすめの花教えてください」 「今の時期ですとコスモスですね」 「ありがとうございます。」 美しいものに目がなかった美香は、気が付けばコスモスだけでなくたくさんの花を買っていた。 「合計で2000円になります」 「ありがとうございます。」 花束にしてもらったはいいものの、美香はこの花をどうするか困っていた。 家に帰った美香は、とりあえず玄関に置くことにした。 だが、美しいものをより美しくしたいという社長時代の気質はここでも発揮された。 「花をこう並べて…いやこっちのほうがきれいなのかな」 美香はどうやれば花を美しく並べられるかをPCで調べたところ、フラワーアレンジメントにたどり着くのであった。 「おー、フラワーアレンジメント教室か。いいなあ。通ってみよう。」 しかし、公私混同の悪癖はフラワーアレンジメント教室でも繰り返されるのであった。
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