第3章  第一難は平等に

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「お前なぁ、ここは俺の家なんだぞ」 「分かってるって。 それに、いつも通り居候させてもらう間の家事一切は、させて戴きますから」 はぁ……。 けれど、いつも、なぜかこの男のペースから逃れられた試しがない。 そしてとうとう忍は、大きな溜息を肩でついた。 「なら、勝手にしろ。 ただし合鍵はないから、今夜入ったら 明日、俺が来るまで、どっかに出ても戻れないから そのつもりでいろよ」 うん! 少年のように笑って、荷物と寝袋を担ぐ友人を前に 忍は、もう一度、細い溜息を声にした。
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