第3章  第一難は平等に

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落ち着いた口調と声音が流れる中、いつも通りに弁当を作り始める。 しかし普段と違う番組のせいで、番組進行から時間を推し量ることが難しい。 那々は、弁当を詰める手をちょっと止め、 時刻確認に、テレビの画面を覗こうとした。 その時、運よく気象コーナーのテーマ曲が流れてくる。 「きた、きた」 那々は、菜箸を持ったまま急いで部屋に戻り テレビ正面のベッドに陣取った。 そして、 あぁ……。 間もなく、真面目そうな男性予報士によって始められた天気予報を前に、 わずかに声が沈む。
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