第3章  第一難は平等に

21/29
前へ
/37ページ
次へ
「じゃあ、アイツには早速それを吟味させるから、 テスティングシート用意しておいてくれる?」 しかし、喜んだのも束の間のこと。 いそいそと「お試しシート」を準備した那々に、別の嵐の予感が待っていた。 意外に、几帳面なのだろうか。 アポの5分前に現れたデザイナーとの初顔合わせに、 オフィス入り口に設けられた接客スペースへと足を踏み入れ、 途端、思わず那々はギョッとした。 八畳くらいの空間に、小さな丸テーブルセットが三つ。 全て埋まっているその一つに座っている一人の顔に、 那々の目は釘付けになる。 なんで?! 
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加