第3章  第一難は平等に

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なんと、それは隣のペントハウスに越してきた、 あの女好き顔のホモ()さん。 彼が、なぜかテーブルセットの一つに座っている。 しかも、 「よう!」 自分の隣で軽く手を上げた立花に、手まで上げ返してくるではないか。 うそぉ! これはもう、胸の内で叫ばずにはいられない。 そして、かろうじて歩みを止めずに客の元へと辿り着き得たものの、 那々の顔に貼り付いていたのは、笑みからは程遠い歪んだものだった。 「紹介するね。コイツが、今や超売れっ子になったデザイナー 朝比奈 忍」 しかし、上司によって気さくに自分も紹介されるが、 那々は、益々歪む顔をどうすることもできない。
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