第3章  第一難は平等に

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しかし、どうにも動揺した彼女の手元はぎこちなかった。 その結果、バサッ!と盛大な音と共に手の中のほとんどの物が 床の上に投げ出され、那々は慌ててしゃがみ込んだ。 「すみ、すみませんっ!」 急いで拾い上げたモノを両手にして、那々は、米搗きバッタのように 頭を下げる。 「あぁ、いいよ、いいよ」 掛けられた立花の声には、明らかに苦笑が浮かんでいた。 そして、とにかく座るよう促してくる彼に 那々は、素直に彼らと共に三角形を作って腰を下ろす。
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