第3章  第一難は平等に

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そして、それと同時に、唐突な衝撃に動揺していたものが少し冷めていく。 私、正真正銘、どっから見たって女だと思うんですけど! 内心で少し鼻息荒く憤慨する那々の横で、「嘘くせぇ」と立花が笑う。 「あのね、こんな事言ってるけど、 その実コイツ、結構、素っ気ないヤツだから」 「素っ気ないとは、失敬だな。 俺は、自分の言動に責任を持っているだけだ」 「まぁ、確かに昔から妙にモテてたもんな」 「そう言うお前は、すぐに妬いてたな」 えっ……。 ふと浮かんできた変な連想に、思わず隣の立花に向けた目を慌てて外す。 まさか、ねぇ……。 那々は、胸の内で小さく苦笑をした。
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